【2023年夏最新版】社会問題を知るNEWS解説総集編

NEWS解説

今回は、日本国内で起こっている時事問題について執筆いたしました。2023年の通常国会(2023年1月23日召集→2023年6月21日会期終了)で議論されたトピックスから私が個人的に人々の関心が高いと感じた議題を3つと、その他の近年抱えている社会問題を3つ、ピックアップして記述させていただきました。

第211通常国会で議論された主要トピック

①防衛費増額に向けた財源確保法

2023年6月16日に成立しました。政府は5年間の防衛費を43兆円確保するとしていて、一般会計に防衛力強化資金を新設することを決めました。
2023年度の防衛費の予算は、6兆8219億円。過去最大です。2022年の12月に、日本は新しく『反撃能力』(遠くの敵のミサイル発射基地などを攻撃する力)を持つ必要があるという方針が示されました。日本は、基本的に専守防衛せんしゅぼうえい(相手から攻撃を受けたときにのみ使う力だけを持っておくという受動的な姿勢)でしたが、昨今の北朝鮮によるミサイル発射や台湾情勢、ウクライナ情勢などを踏まえて、抑止力よくしりょくの為に反撃能力の保持が必要であると判断しました。
2023年度の防衛費の予算、6兆8219億円の内訳をできる限りまとめてみました。(箇条書きや表の資料がなく、文章の資料しか見つからなかったので数字を並べるのに、とても苦労しました。)防衛費の使い道として主に7つの分野を重視しています。

表の中の項目をいくつかピックアップして説明をします。
[①スタンドオフ防衛能力]とは、stand off(離れている)ところから反撃できる能力。すぐには準備できないので、とりあえずアメリカからトマホークを購入。所持していることで、日本に攻撃することを踏みとどまってもらうためのものです。[④領域横断作戦能力]の項目にあるステルス戦闘機とは、ステルス(レーダーに探知たんちされにくくする機能)をもつ戦闘機(空中での戦いを目的とする飛行機)です。こっそり飛行することができます。また、[その他]に書かせていただいた研究開発費8,968億円は、前年度の3.1倍。ロシアによるウクライナ侵攻で高度な科学技術を有する兵器が力を発揮していることを踏まえ、防衛装備品の生産力と技術力の強化が課題であるとしています。

②外国人収容の在り方を見直す改正出入国管理法

出入国管理法とは「出入国管理及び難民認定法」のことです。
日本はもともと難民(自分の国で迫害はくがいされてしまい、外国へ逃げた人)の方々に対して厳しい対応をしています。それをもっと厳しくしてしまったのが、2023年6月9日に成立した今回の改正です。今までは難民申請中は強制送還きょうせいそうかん(日本にいる外国人を強制的に母国へ送り返す手続き)されないというルールでしたが、改正で申請3回目以降は強制送還できるというルールに代わりました。日本の難民に対する厳しい対応については、国連人権理事会から「国際人権基準を満たしていない」と指摘を受けています。
難民の方々は観光など短期滞在のビザ(入国しても問題ない人かどうか審査されて、問題ないと判断された時にもらえる証明書)などで入国します。入国した後は難民申請をし、認定を受けると日本国民と同じ待遇たいぐうを受けることができます。日本に逃げてくる難民の方々の国籍は、ミャンマー、トルコ、カンボジア、スリランカが多いです。
2021年3月に名古屋市の入管施設でスリランカの33歳の女性が亡くなったという事件がありました。この事件に関しては、冷静に考察する必要があります。彼女の命を守るためにどうすればよかったのかということを考えます。彼女が入館施設に収容されたきっかけは、男性とのトラブルで警察に駆け込んだことです。そのとき、彼女の在留期限は既に切れていました。彼女の状況はとても辛いものですが、彼女は不法滞在であり、母国からの支払いのとどこおりにより日本語学校の除籍じょせき処分をされた方でした。この事件は、彼女が元彼が怖いから帰国したくないと訴えていても、ルールだから、と、速やかに帰国していただき、家族の元に戻っていれば防げた可能性もあります。彼女の個人的な事情に対する同情があったからこそ起こってしまった事件ともとらえることができると思います。この事件を『名古屋出入国在留管理局は非道である』と結論付けてしまわずに、難民の方々に対する人道的な取り組みを大切にしつつ、合法的な滞在をしていただくことを考えていかなければなりません。施設の収容者の毎日の3食の食事の財源は税金です。母国に帰りたくないからと、ひっそりと不法滞在を続けてしまっている方々は日本に大勢います。

③LGBTの人たちへの理解増進に向けた法律

2023年6月16日に成立しました。『LGBT理解増進法』、正式名称は、『性的指向および性同一性に関する国民の理解増進に関する法律』です。

LGBTとは

レズビアン :Lesbian 女性同性愛者
ゲイ :Gay 男性同性愛者
バイセクシュアル :Bisexual 両性愛者
トランスジェンダー:Transgender 身体の性と性自認が一致しない人

性的指向(恋愛対象)及びジェンダーアイデンティティ(自分が認識している自分の性別)の多様性を受け入れる精神を涵養かんよう(自然にしみこむようにゆっくり作っていくこと)する、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に寛容な社会を実現していくことが趣旨です。LGBTはマイノリティ(少数)なので、なかなか理解されにくく、周りが無理解なためにLGBTの方々は1人で悩んでいたり、傷ついていたりしていたと思います。有名人では、マツコ・デラックスさんがゲイである事を公表していたり、かつて大人気だった男性アイドルグループSMAPの振付け師として有名なKABAちゃんが自分自身を女性であると認識しているトランスジェンダーであることを公表したりしています。マイノリティが可視化されることは、とてもいいことだと考えています。SDGsの理念にもなっている誰一人取り残さない社会にするためには、表面化しにくい社会問題を周知させ、今までの『常識』を疑い、誰もが堂々と発言できる雰囲気を作ることが大切だと私は考えています。


さて、第211通常国会で成立した法案の中で、①防衛費増額に向けた財源確保法②外国人収容の在り方を見直す改正出入国管理法③LGBTの人たちへの理解増進に向けた法律、の3つを取り上げて説明させていただきました。
ここからは、近年の日本が抱える深刻な社会問題として、①少子化②物価高③マイナンバーカードをめぐるトラブル、について執筆させていただきます。

近年の日本が抱える深刻な社会問題

①少子化

まずは、少子化対策以前に、様々な事情で結婚しない方も増えているので、自然と結婚に前向きになれるような環境を作らないと、無意味な部分もあると思います。少子化問題を広い視野で理解する為に過去に執筆した記事を3つ貼らせていただきます⇩

次に、現時点で政府が掲げている『異次元の少子化対策』の中で、実施時期が2024年度に予定されているものについて説明させていただきます。
 2024年度から実施予定
  ・児童手当の対象拡大と多子世帯増額
  ・フラット35の金利優遇
  ・給付型奨学金、授業料など減免の拡大
  ・修士課程の授業料後払い制度導入
  ・こども誰でも通園制度導入

用語解説

児童手当】…児童を養育する人に生活の為に支給されるお金
       ※子供が誕生した後、引越しした後に、市役所で手続きをしましょう。
       原則、手続きした月の翌月分からの支給で、し忘れると受け取れません。
2023年現在の児童手当
0~2歳  15,000円/1ヶ月
3~小学生 10,000円/1ヶ月(第3子以降 15,000円/1ヶ月)
中学生   10,000円/1ヶ月
夫婦のうち年収が高い方の年収が960万円以上1200万円未満の場合、月額5000円の支給
夫婦のうち年収が高い方の年収が1200万円以上の場合、児童手当無
※960万円、1,200万円は目安の金額で、実際は扶養人数によって所得制限限度額が変わります。

フラット35】…最長35年の固定金利の住宅ローン

給付型奨学金】…生活保護世帯や住民税非課税世帯などが対象の返済しなくていい奨学金

こども誰でも通園制度】…親が就労していなくても子どもを保育園に預けられるようにする制度

この内容は『こども未来戦略方針』といって、2023年6月13日に閣議決定されたものです。
『児童手当の対象拡大と多子世帯増額』が目玉なのですが、『児童手当の対象拡大』というのは、①高校生も10,000円/1ヶ月もらえるようになる②所得制限撤廃、です。『多子世帯増額』というのは、多子世帯(子供3人の家庭)の児童手当が、第3子以降15,000円/1ヶ月→30,000円/1ヶ月にアップするということです。ただし、児童手当における『第1子』『第2子』『第3子』のカウントの仕方というものがあり、第1子が高校を卒業すると、2人目を『第1子』、3人目を『第2子』と数える決まりになっていて、その場合は対象から外れてしまいます。『30,000円』という数字が目立って、一見、大盤振舞おおばんぶるまいに見えますが、独特のカウントの仕方による落とし穴がありますし、さらに財源確保のために、『扶養控除ふようこうじょ』廃止の案も出ています。

扶養控除とは

生計を共にする配偶者以外の親族を養っている人に適用される控除
対象となる親族は、例えば16歳以上18歳以下(高校生のお子様)を養っている場合があるのですが、所得税が少なくなります。会社にお勤めの方は、会社から『年末調整』の書類が配られた時、書類の1つに『給与所得者の扶養控除等申告書』というものがあるので、扶養親族を書きましょう。払い過ぎた税金が返ってきます。

扶養控除が廃止されてしまうと、高校生が児童手当をもらえるようになった意味が減ります。
現在結婚を悩んでいる若者や子育中の国民がプランを考えたらいいんじゃない?と思ってしまいました。私は1人親で子供2人と暮らしています。最近突然職を失い、つい昨日市役所に相談したところ、あと1ヶ月で就職するか精神科で診断書をもらうかしない場合は保育園を退園してくださいと言われたばかり。『こども誰でも通園制度』?保育士の先生方が過労状態で、待機児童問題も解決されてないのに、いったい何を根拠に計画を立てたのでしょうか。

②物価高

現在、新型コロナウイルスの感染拡大でモノやサービスの提供が滞ったこと、 ロシアによるウクライナ侵攻により日本が輸入するモノの国際的な相場が上昇したこと、円安という為替要因などにより物価が上がっています。賃金が上がらないのに物価が上がっている良くない状態です。

円安とは

他の通貨に対する価値が相対的に少ない状態
2023年8月29日(当記事の発信日の時点)で、1ドル146.92 円。近年ずっと円安が続いています。

③マイナンバーカードをめぐるトラブル

マイナンバーカードとは、氏名・住所・生年月日・性別などが記載された顔写真付きのプラスチック製のカードです。2015年に10月から『通知カード』が全住民に簡易書留で郵送され、2016年1月からマイナンバー制度の運用が始まりました。マイナンバー制度とは、行政の効率化・国民の利便性の向上のための制度です。2023年4月から、厚生労働省は、医療機関に対してマイナンバーカードを健康保険証として使えるように必要なシステムの導入を義務化しています。しかし、一方、マイナンバーカードのトラブルが多発しています。コンビニ交付サービスでの誤交付、マイナ保険証の誤登録、公金受取口座の誤登録、マイナポイントの誤付与、マイナポータルでの他人の年金記録閲覧などです。反対派、推進派のような派閥もできてしまっています。
私の個人的な意見としては、市役所での手続きが不要になり、適切な公的サービスが自動的に受けられるようになるとよいと思います。
今年の春あたりに、会社の技能実習生に住民税の追加の徴収がありました。技能実習生とは、外国人技能実習制度(発展途上国の意欲的な方が、日本で技能を学び、母国に帰国して経済発展に寄与してもらうといった制度)を利用して日本で働く外国人のことをいいます。(実際は『技能実習』というのは名目で、安い労働力として働かされています。建設業・製造業・介護業界などで多く受け入れています。)
なぜ、会社の技能実習生に住民税の追加の徴収があったかをお話します。彼らは、日本に来る前に母国で借金をしていたりします。母国の送り出し機関おくりだしきかん(日本で働きたい若者を募集して日本に取り継ぐ団体。日本語教育やビザ申請などもします。)やブローカー(送り出し機関に人材紹介する人)に借金をしてお金を払ってから日本に来る方が多いのです。技能実習生は、最低賃金ギリギリの時給で働かされ、(格安ですが)住居費を払い、税金も払い、なおかつ借金の返済と母国に住む家族への仕送りをするので、ものすごく生活が厳しいです。実習生たちは、扶養家族の申請をすると、所得税の様に住民税を減額することができます。それには、扶養家族の人数を証明する書類が必要です。その証明書類の1つに『送金証明』があるのですが、証明する為には、1年間の送金記録に扶養家族全員の名前が記載されなくてはいけないのです。つまり、扶養家族全員の別々の口座を作り、振込先をころころ変えなくてはいけないという事です。前回は親だったから今回は兄弟みたいな感じで、仕送りの振込先を変えなければならないという事です。元々それはルールで、管理団体から注意されてはいたのですが、うっかり実習生たちが毎回家族の代表者の口座に仕送りをしてしまっていて、送金証明に印字される振込先の家族の名前が1人だけになってしまいました。母国から、戸籍謄本と共に扶養家族を証明する書類を取り寄せてもらい、添付して説明しましたが、市役所の結論は却下です。本来、受けられる減免を彼らは受けることができませんでした。元々アナウンスのあったルールですが、腑に落ちませんでした。


いかがでしたでしょうか。この記事では、計6つの問題について記述してまいりましたが、まだたくさん深刻な問題があります。いずれの問題も複合的な問題ですので、多角的な視点が必要ですし、解決策が簡単に見つかるものではありません。それに、1人1人抱える問題とその優先度も様々なので、どうしても誰かがどこかで忍耐を強いられてしまう状況は発生してしまします。
こんな現代において、私は世の中のことを理解することや、関わる方々と大切に向き合うことを常に心がけています。いつどんな時も、今の状態を、今できる範囲で楽しむことが一番だと考えています。実際それしかできないので、楽しまないと貴重な時間がもったいないです。落ち込んだり、絶望したりしてしまうこともあるけれど、新しい朝が来るたびに、気持ちを切り替えるように心がけています。今までの人生で、たくさんの素晴らしい方々と出会いました。ブログやSNSでお見掛けする方々も、優しそうで真面目な頑張り屋さんばかり。私もみなさまも、いつも冷静な心で過ごしていけることを毎日願っています。お読みいただき、ありがとうございました。