家事、育児、介護は、必要不可欠な仕事。
家事は外で活動する家族の支えになり、育児と介護は社会で最も重要視されている取組みの1つです。
ですが、女性がして当然という感覚の男性がいます。家事・育児・介護に報酬があるとしたら、家族の『ありがとう』という言葉だけなのに。
私が過去婚姻生活をしていた時は、家事・育児は私の仕事でした。子育て参加を促しても、彼はすぐ子供に苛ついて何度も子供を力尽くで押さえつけて怒鳴りました。第2子の出産の際は子供の相手が無理なので子連れ入院してくれと頼まれました。私は日中は家事・育児、子供を寝かしつけた後に夜中に在宅ワークをする生活でした。元義両親への連絡係も私の仕事でした。元義両親も息子(元夫)は無視するので連絡は私にするようになりました。しかし、あの頃は男性を立てるのが女性の役割だと思っていたので、彼の評判が良くなるように助力したり、浮気を許したり、子供との関係性を良好に保てるようにフォローをしたりしていました。
私の母は非常に献身的な女性でした。小まめな掃除で家は隅々まで綺麗、食事は高級店の様なコース料理。毎日父の職場への送迎をし、私と姉の洋服は殆ど母の手作りでした。家族の幸せを誰よりも真剣に考えて、惜しみなく愛情を注いでくれました。65歳くらいの時に認知症になってしましました。父は、これまで母に任せきりだった家事に取り組むようになりました。母のトイレやお風呂の介護も必要になってきて、認知症の症状であるBPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)により母に文句を言われながらも、母に恩返しがしたいんだと助けていました。昼夜問わず介護が必要な認知症の母は、父に笑顔で『ありがとう』と言う事がありました。父は現役時代にもっと母に『ありがとう』を言えばよかったと何度も後悔していました。
女性が外で仕事を始めると、とても生き生きする事があります。
お客様からの『ありがとう』という言葉、
働く仲間からの『助かったよ』という言葉、
お金という目に見える報酬。
それが、とても嬉しいのです。
男性にはその気持ちが理解できますでしょうか。
社会の男女共同参画、家庭の男女共同参画は、未だ日本では偏り過ぎています。実際昭和時代の男尊女卑のままです。女性の社会進出だけが率先すると結婚する女性は減り少子化も進みます。国会の女性比率10%程度で少子高齢化対策を講じる事ができるでしょうか。日々一生懸命働いている御主人様方、お疲れ様でございます。ただ、頑張っているのは貴方だけではない事を知ってください。奥様が家事を担っている御家庭では、奥様の日々の仕事を知る事ができるのは貴方だけです。家事・育児・介護を奥様に丸投げしている男性は何の目的で結婚したのでしょうか。社会的ステータスの為に結婚しないで下さい。奥様の我慢に気付いたら見殺しにしないで下さい。機械化により労働者の力仕事が減った現代において、生産力は性別と因果性があるのかを今一度評価してみては如何でしょうか。女性の皆様、『女性である』という理由だけで蔑視された経験のある方沢山いらっしゃると思います。大人の男性の皆様、力の弱い者を怖がらせないで下さい。真心が溢れる優しい社会を作るには、相手を尊重する事を基本に、1つ1つの人間関係の改善から変えていく必要があると思います。明るく、気持ちよく、議論が活発な社会になりますように。