働き方改革の実感

評論
働き方改革とは

働く方々が個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を自分で「選択」できるようにするための改革

働き方改革の目的

【日本が直面している課題】

①少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少

②育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化

【働き方改革の目的】

これらの課題の解決のため、働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすること

参照:『厚生労働省ホームページ』https://www.mhlw.go.jp/

さて、働く皆様、働き方改革の効果を実感されている方いらっしゃいますでしょうか。私の感覚としては、残業の恒常化は変化なし、古い体質の会社なのでリモートワークの実施なし、雇用者の意識に変化なし(無駄な業務と根性論がそのまんま)。『多様な働き方』と聞こえが良いフレーズだが、非正規雇用の問題、技能実習生の問題等、より人材を『駒』の様に理不尽に扱う風潮になってしまってきているように感じます。

今まさに次年度の36協定(労働基準法第36条に基づく労使協定、法定労働時間を超えて労働させる場合に必要な届出)の書類を準備しているところなのですが、働き方改革が始まって以降、『今年もこの届出をしておけば安心して沢山働かせることができる、ワッハッハ』といった感じで、意識改革どころか悪い状態が一層定着したように感じます。

この、政策と効果が嚙み合っていない感じ…

36協定で労働基準監督署の事務作業を増やすより、その分1つ1つの企業を訪問して実態調査した方が遙かに効果的だと思います。委託せずに労働基準監督署の職員がね。

さて、ここで少し36協定について説明します。36協定は、1日8時間・週40時間を超えて労働者を働かせる場合には、必ず締結しなければなりません。厚生労働省のホームページからダウンロードできる書類(7種類あるが、基本的には)様式9号様式9号の2を所轄労働基準監督署長へ届け出ます。様式9号様式9号の2は、時間外労働が月45時間・年360時間以内(1年単位の変形労働時間制[※]の場合、月42時間・年320時間)か、それを超えるかで使い分けます。

※1年単位の変形労働時間制:1ヶ月を越え1年以内の一定の期間を平均し、1週間当たりの労働時間が40時間以下の範囲内において、特定の日又は週に1日8時間又は1週40時間を超え、一定の限度で労働させることができる制度

まず原則は、法定労働時間を守ります。

時間外労働をさせる場合は、36協定を締結、更に時間外労働の上限を更に超えて労働させる場合は、36協定の一般条項に加えて特別条項を届け出ます。上限を超える場合、更に超える場合、って『上限』という言葉の使い方、間違えておりませんでしょうか。更に第36条1項の条文をご覧ください。

第36条1項 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、厚生労働省令で定めるところによりこれを行政官庁に届け出た場合においては、第32条から第32条の5まで若しくは第40条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この条において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。

もし、『一般条項』の『労働させることができる法定休日の日数』を『1ヶ月に4回』としてしまえば、つまり1週1回の休日又は4週4回の休日を確保できない形で労働させる、つまり4週間連続で休み無しで働かせ続ける事が法的に問題ないという事になってしまいます。『臨時的な特別な事情』なんていくらでもそれらしく謳えるし、『健康・福祉を確保するよう努めてください』との呼びかけは勿論ブラック経営者の目には留まりません。

様式9号の2を届け出た企業と、届出すらしてないハローワークで把握されている企業だけでも、抜き打ち調査した方が、働く人たちを守る事ができると思います。働き方改革の目的を達成するためには、まずは表面化していない実態を正確に把握する事が必要だと思います。