7月17日、ロシアは黒海穀物合意の一時離脱を決めました。
まず、黒海穀物合意とは、いつのどのような約束なのかを説明します。
昨年、2022年7月22日のことです。
トルコと国際連合の仲介を経て、ロシアとウクライナとの間で【黒海穀物合意(The Black Sea Grain Initiative)】という約束をしました。【ウクライナが穀物を輸出する時、ロシアはその貨物船を攻撃してはいけません】という約束です。
2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻開始から、ウクライナは穀物が輸出できない状態が続いていました。ウクライナの小麦の輸出量は世界上位なので、世界全体での小麦の供給量が減ってしまい小麦の価格が上がりました。また、アフリカへの輸出が停止したことにより、アフリカの飢餓問題が深刻化しました。そこで、2022年7月22日に穀物輸送船は攻撃対象外とする合意に至りました。
この約束には期限が決められていて、今迄何度か延長されました。
今回は延長する条件として、ロシアは【ロシア農業銀行とSWIFTを再接続してほしい】と要請をしました。それに対して、国際連合のグテーレス事務総長は、ロシア農業銀行が子会社を創設すれば接続できるようにするので、合意の延長をしてほしいと提案しましたが、
結果、ロシアは、【ロシアの利益に関する点が達成されていない】として、離脱を表明しました。