アフリカ大陸北部の自然災害

NEWS解説

2023年9月8日の23時頃、モロッコで起きた地震は、ユーラシアプレートとアフリカプレートとの間のひずみが原因で、震度(揺れの大きさ)は5~6でした。建築物が耐震化されておらず、多くの建物が倒壊しました。9月13日時点で犠牲者数が2,900人以上と報じられています。4ヶ国から救助隊が入り捜索活動が続いています。テントの設営がされたり毛布が配布されたりしていますが、路上で過ごすしかない方々も多く、20℃以下の寒い夜間を耐え忍んで過ごされています。
モロッコで大地震があった数日後、リビアは暴風雨に見舞われました。ギリシャで発生したハリケーンが、トルコやブルガリアで大きな被害を出した後に、勢力を強めながら南下してリビアの沿岸部に達し24時間で計414mmを降らせました。2つの大きなダムが決壊して、街の大半が浸水してしまいました。洪水は毎年発生していましたがダムに守られていたとの事です。9月13日には犠牲者数が5,300人以上と報じられています。リビアでは内戦が続いていて、自然災害に対する備えがない状態でした。
モロッコとリビアは、アフリカ大陸の北部に位置しています。

気候も治安も住環境も日本とは全く違う状態での大きな自然災害。想像を絶する最悪な状況です。
モロッコで9月8日に生まれた赤ちゃんが、山間の村アスニのテントの中で母親に抱かれて泣いている姿を動画で見ました。大ダメージを受けているであろう体で、赤ちゃんを『神様からの贈り物』と言い、大事に抱っこする母親の姿に心を打たれました。自分が過去手術後、初めて子供を見た瞬間を鮮明に思い出します。おなかの中でずっとごにょごにょ感じていた新しい命との初対面の瞬間、奇跡的で不思議で何とも言えない感動がこみ上げました。
立て続けに起こってしまったアフリカ北部での自然災害。祈るしかできません。モロッコの産後の女性の強く優しい姿に敬服します。どうか『神様からの贈り物』が人々の希望の光となり、1人でも多く救われますように。