今起こっている事について
《ハマスとイスラエルとの間での争いの経緯》
2023年10月7日、パレスチナのガザ地区のグループのハマスが、イスラエルにロケット弾と越境(ガザ地区を取り囲む壁を突破して)侵入し、突然攻撃しました。また、約200人の人達を拉致して人質にし、ガザ地区へ連行しました。
それに対して、イスラエルは、ガザ地区に仕返しの空爆をしました。さらに、ガザ地区を完全封鎖して、食料や水やエネルギーなど生活必需品の供給を遮断しました。
パレスチナ問題について
《パレスチナの歴史》
3000年前 パレスチナには『イスラエル王国』というユダヤ人の国がありました。
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2000年前 イスラエル王国は、ローマ帝国に敗れ、ユダヤ人はパレスチナを追放され、世界中に散らばってしまいました。その後、ユダヤ人はずっと迫害されてきました。パレスチナにはアラブ人が住むようになりました。
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第一次世界大戦中に、イギリスは、そのころ中東地域を支配していたオスマン帝国戦略を有利に進めたいがため、アラブ人もユダヤ人も味方につけようとして、それぞれに約束をします。
アラブ人に対しては、オスマン帝国からの独立を支持すると約束、
ユダヤ人に対しては、パレスチナにおけるユダヤ人居住区の建設を約束します。
ユダヤ人は、世界中から徐々に集まってくるようになります。
この矛盾した約束や、第二次世界大戦中のユダヤ人の排斥運動の強まり等がきっかけとなり、移住してきたユダヤ人と、既にパレスチナに住んでいたアラブ人との間に対立が起こるようになりました。
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1948年 イスラエル建国
1948年~1973年 4度の戦争が起こりました。
元々住んでいたアラブ人は徐々に追い込まれ難民となり、ガザ地区とヨルダン川西岸地区、近隣のヨルダン、シリア、レバノンに住むようになりました。
《10月7日に突然イスラエルを攻撃したハマスとは》
パレスチナの土地奪還とパレスチナの人権保護を目的に活動しているグループです。イスラエルを敵対視しています。イスラエルは、イスラエルの住民を守る為、またテロ行為をしたハマスを根絶やしにする為に攻撃を強くしていますが、その度、イスラエルに虐げられてきた住民達や、それらのかわいそうな人達の味方をする人の反イスラエル感情は高まってしまいます。しかし、イスラエルからすると、ハマスに反撃の隙を与えないようにしないといけません。
《ガザ地区とは》
ガザ地区は武装組織であるハマスが与党です。イスラエル側は、安全のために、ガザ地区を高い壁で取り囲みイスラエル軍が包囲し、人や物の出入りを制限しています。
My opinion
どのようにイスラエルはハマスのテロ行為に対応するのが正解なのでしょうか。
ガザ地区の住民が北部から南部に逃げて、さらに南部からエジプトに逃げる事で、住民の命が助かるかもしれませんが、おそらく二度とガザ地区には戻れません。エジプトで生活できるかどうかも分かりません。このまま、居場所を失ってしまう結果が、住民にとって望ましい結果なのでしょうか。ガザ地区の住民は今、1948年(イスラエル建国)までのユダヤ人の気持ちと同じ気持ちを感じていると思います。
この問題は、お互いが正当性を主張して解決できる問題ではありません。どちらが先制攻撃をしたかで、どちらが敵かを判断するような単純な問題ではありません。第三者がどちらかを擁護する事も、解決を手伝うどころか、問題が大きくなってしまう事もあります。テロ行為そのものに対しての非難や支援はあってしかるべきだと思いますが、どちらかの味方になる事は別の話で、解決に近づく事であるとは思えません。報道が、どちらか一方がかわいそうに見えてしまうようなものだと、どちらの味方かの議論になってしまいます。どちらが正しいかという議論に持っていってしまうと平行線になってしまう事は、歴史の中でのやりとりを見たら想像できる事です。
過去、シオニズムという、ユダヤ人の居場所を作りたいという思想がありましたが、それは、当然湧いてくる感情ですし、イスラエル建国は非常に喜ばしいことだと思います。過去、ナチに『ユダヤ人』という理由だけで600万人以上に対して残虐な行為が行われました。一方、ヒトラーにも大儀名分があり、支持者もいました。
有利、不利で物事を考える事、どっち派であるという意見を持つ事は、争い事に於いては、解決に役立つものではないですし、そもそも、当事者の中で『争いである』と認識している人と、そうでない人がいると思います。犠牲者にとっては、加害者がどこに所属していようが、間違いなく『悪』です。しかし、こういった思想を持ってしまうのが人間です。正義のヒーローも、加害者になってしまったら、争いの犠牲者は第三者に助けを求めるしかありません。
でも、第三者もどのようなサポートが望ましいのか難しいところ。どんな目標を決めても目標達成のためには誰かが犠牲になるので、どのシナリオが一番マシがを考えることはできても、犠牲者全員に望まれるサポートは存在しないからです。
この問題は、ハマスのテロ行為だけに注目したものではなく、既に領土問題に発展してしまっています。イスラエルのネタニヤフ首相は、ハマスの攻撃を受けて『戦争』と言いました。この言葉も慎重に言葉選びをしていないだけの可能性もあります。また、代表者の考え=住民の考え、ではない事にも注意です。イスラエル国内の世論は、半分が地上侵攻停止の意見です。同様にハマスの考え=ガザ地区の住民の考えでもありません。
問題を過去に遡って、どちら側に共感できるかで判断できるものでもなく、今ある事象に対しての対処に絞る事が大切であると私は考えてします。攻撃をする権利があるかどうか、攻撃は正当であるかどうか等といった議論は、問題の解決にならないと思います。よく裁判でも、過去の経緯を遡りますが、それはあくまでも第三者が俯瞰的に捉える為のものであって、同情してもらう為のものではない、弁護士が加害者をかわいそうだと主張したり裁判官が情状を酌量する事は、事実に対しての量刑ではなくなってしまう事です。勿論、被害者に非がある場合は別です。被害者の関係ない所に、加害者が加害者になってしまった原因があった場合、被害者に譲歩を促す事は適切ではない、という意味です。
私が、述べた意見もただの1つの意見です。みなさまは、どう思いますか?