物価高対策について考える

評論

はじめに

石破首相は、参議院選挙での与党の大敗などを受け、批判や責任論が高まったことから、2025年9月7日に総裁を退陣する意向を表明されました。これを受け、次期総裁選はフルスペック型で実施されることが決まりました。
候補者は5名、保守派・安倍路線の継承を訴える高市早苗さん、若手で人気の高い農林水産大臣小泉進次郎さん、経済安全保障の分野の実務経験を持つ小林鷹之さん、経験豊富な現官房長官の林芳正さん、前幹事長などを務めてきたベテラン議員の茂木敏充さんです。日本が抱える課題(物価高、少子化、安全保障、エネルギー、地域経済など)をどう解決していくかを考える良い機会だと思います。候補者は努力家の方ばかり。我々国民も国の構成員として、日本の未来を考え、できる限り行動していくことが大切ですね。

自民党総裁選の概要

各候補の物価高対策

さて、物価高対策について候補者5名の考え方を説明します。現金給付は、参議院選挙で国民の意志はNOという事が分かり、野党からも反対があるため、しない方針のようですね。自治体の事務負担増加にも気を配っています。高市さんや茂木さんや小林さんは、ガソリン税の暫定税率の廃止を考えています。

ガソリン税の暫定税率ざんていぜいりつとは、その時々の事情に応じて課される一時的な税金のことです。ガソリン税は大きく2つの部分に分かれます。ひとつは本則税で、ガソリンや軽油にかかる基本的な税金で、恒久的に課される部分です。もうひとつが暫定税率で、本則税に上乗せされる形の一時的な税です。私たちは、この2つの税が合算された価格を支払っています。暫定税率については、国会で延長するか廃止するかが議論されています。

高市さんは、所得税の基礎控除の引き上げを考えています。茂木さんは地方交付金を設けて、地域のニーズに応じて使ってもらうことを考えています。小林さんは中間層の支援を重視していて、所得税の定率減税を考えています。高所得者優遇にならないように、減税の上限を設けることに配慮しています。

所得税の定率減税ていりつげんぜいとは、所得税の税額に応じて一定の割合で減税する制度のことです。所得税は通常、所得の額に応じて税率が変わる累進課税ですが、定率減税では、計算された税額から一定の割合を差し引きます。この制度は恒久的なものではなく、一時的に景気を刺激するために用いられます。

消費減税を検討するのは、高市さん。レジスターの変更の手間などにも気を配ろうとしています。林さんは、消費税は社会保障の大切な財源でもあるから、その兼ね合いも慎重に考えたいとしています。消費減税は即効性がありますが、同時に財源確保や事務負担の問題も考慮する必要がありますし、長期的な景気改善対策としては不十分ですね。全員に共通しているのは、少数与党であるため、全員が納得できる案を検討しなければならないという意識を持っている点です。小泉さん、林さんは、賃金上昇も掲げていますが、企業に頼る部分が多く、リスキリングや成長分野への投資が賃金上昇に寄与した実例がないので、イメージが湧きにくいですね。でも、どのアイデアにも共通しているのは、たとえ暗中模索の状態でも、挑戦し続ける姿勢が大切だと思います。

まとめ

物価高は複合的な要因によるもので、日本は資源をほとんど輸入に頼っているため、世界的な石油や天然ガスの価格高騰の影響を受けやすいです。また、円安によって輸入品の価格が上がっていることや、賃金の上昇が追いつかないことも要因として挙げられます。こうした状況は日本だけでなく、多くの国でもインフレとして現れています。
こうした状況を乗り越えるには、一人ひとりの力を合わせて大きな力に変えていくことが重要です。だからこそ、今、日本を牽引するリーダーが誰になるのかは気になるところです。みなさまは、この困難をどのように乗り越えていけると思いますか?